生物多様性アカデミーへようこそ

「地球は生命の星といわれ、40億年前に誕生したたった一つの生命から、多様な生物が育まれたすばらしい世界があります。この地球の生物の賑わい、多様な生物を育んでくれた多様な自然（生態系）、そして、同じ種でも異なる個性を生み出してくれる多様な遺伝子を含めて生物多様性といいます。従って生物多様性は、生態系、生物の種、遺伝子の３つの異なるレベルからなり、壮大なスケールから目に見えない小さな世界まで含むことが分ります。

生物多様性は人間を含めた、地球上のすべて生物にとっての宝物です。すべての生き物はお互いに依存しあうことで、命をつないできました。地球上のすべての動物は、植物の酸素をつくってくれる能力と太陽のエネルギーを利用して有機物を生産する能力に依存しなければ生きられない存在です。植物は微生物が有機物を分解してくれなければ栄養を根から吸収できません。私たちは日頃、このよう な命のつながり、生物と自然とのつながりを支えてくれる生物多様性の恩恵を忘れていませんか。

当アカデミーは皆様とともに、生物多様性のすばらしさや恩恵を知り、科学的な考え方に基づいて、現在の国内外の生物と自然の現状をよりよく理解し、人間活動の拡大によって傷ついている生物多様性の健康を取り戻すために知恵を出し合い、生物多様性の保全のための実践的な活動をしていくことを目的として設立されました。

生き物の賑わいを取り戻すには、生き物と自然とのつながりだけでなく、生き物・自然と人とのつながり、人と人とのつながり、人と社会とのつながりをもう一度むすび直すことが必要と考えています。このような行為と保全活動によって、すばらしい生命の星を、未来世代にバトンタッチすることが可能になると確信しています。多くの方々が、本会の活動に参加され、共に学び、生物多様性豊かで、持続可能な社会を築くことに手を貸してくださることを願っています。」