2026年 新年のご挨拶

新しい年を迎え、皆様のご健康とご多幸、そして日々のご活動が実り多いものとなりますよう、心よりお祈り申し上げます。
昨年は、日本各地において、人と野生生物との関係が社会的な課題として改めて顕在化した一年でした。とりわけ、クマによる人的被害の増加は、地域の安全や暮らしの在り方に直結する問題として注目されました。その背景には、自然環境の変化に伴う食料条件の不安定化、個体数の増加、クマの学習による行動変化、農村地域の過疎化・高齢化、さらには気候変動の影響など、複数の要因が相互に関係していることが指摘されています。単独の主体や分野のみでの対応には限界があります。市民、行政、企業、研究機関などがそれぞれの役割と強みを持ち寄り、連携しながら解決策を検討し、実践へとつなげていくこと
が一層重要になっていると考えています。
生物多様性をめぐる課題の多くも同様に、生物、環境、人間社会といった多様な要素が関わり合っており、その解決には、一つひとつの状況に向き合いながら、分野を越えて知恵を結集していく姿勢が大切です。
昨年3月には、『市民科学―自然再興と地域創生の好循環―』(岩浅有記・小堀洋美・佐藤真久 編著)を出版いたしました。本書では、政策・科学・教育という異なる専門分野の視点を重ね合わせることで、「自然再興(ネイチャーポジティブ)」と「地域創生」を同時に進めていく道筋を探っています。市民科学は、多様な主体が対話と協働を通じて地域の課題に向き合い、互いの知恵や強みを活かしながら共に学び、行動していく社会的なプロ
セスであり、地域社会を学習共同体として育てていく力を持つものです。
本団体では、今後も生物多様性に関わる課題を広い視野で捉え、多様な組織や地域の皆様との連携を深化させてまいります。目指す社会の実現に向け、皆様と歩みを共にしつつ、一歩ずつ前進していければ幸いです。
本年も引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

代表理事
小堀洋美

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