第17回市民科学研究会 開催報告

平成29年9月29日に第17回市民科学研究会を開催しました。
市民科学研究会は、当法人内の研究会として位置づけられたもので、市民科学や市民参加型調査に関する情報共有、プロジェクト研究など、市民科学の展開に関するテーマについて自由闊達な討論を行っています。
第17回の市民科学研究会では、最初に研究会の代表の小堀より「市民科学の最近の国際的なトレンドは?」とのタイトルで、話題提供がありました。
次に研究会メンバー以外にも当法人が関わっている「下水道を核とした市民科学プロジェクト」の実施主体である国土交通省水管理・国土保全局からもご参加いただき、昨年度末に同省から発刊された「下水道の市民科学ガイドブック」を使って、市民科学を展開する際の課題をワークショップ形式で探りました。
ワークショップに先立ち、BDA研究員の亀山から「下水道を核とした市民科学育成プロジェクト」が4年前にスタートした経緯から、横浜市おけるモデルケースの取り組み事例を時系列に沿ってご紹介しました。
引き続くワークショップでは、市民団体向けと行政関係者向けの2部構成となっているガイドブックの概要をご説明した上で、参加者を“市民団体を想定したグループ”と“行政関係者を想定したグループ”に分け、ガイドブックに従って下水道の市民科学プロジェクトの展開するシミュレーションを行い問題点の抽出を行いました。

話し合いの様子

ワークショップ

ガイドブックに示された用語の定義不足、行政と市民を繋ぐコーディネーターの役割など今後の展開に有益な課題が抽出されました。
今回の研究会の議論が「下水道を核とした市民科学プロジェクト」の展開に役立つことを当法人としても期待しています。
なお、下水道の「市民科学」ガイドブックは、下記のアドレスからダウンロードすることができます。
(http://www.mlit.go.jp/common/001178471.pdf )
また、最後にカリフォルニア科学アカデミー/ロサンジェルス自然史博物館が主催する、世界の大都市で来年4月に同時開催する生物多様性の市民科学プロジェクトへの日本の参加要請があったことが報告され、本研究会で協力するかどうかについて議論した。その結果、研究会として協力することで承認されました。