第3回 多摩川の市民による水辺の外来植物さがしを開催しました

 生物多様性アカデミー(BDA)が昨年から取り組んでいる、多摩川でのi-phoneを使った市民科学的手法での外来植物の調査の3回目のイベントを、6月17日に実施しました。当日はお天気にも恵まれて、小学生のお子さんや東京都市大学の学生さんなど多くの若い方を含め、40名以上の方にご参加いただきました。

 今回のイベントは、2016年秋(10月)と2017年春(5月)に2回実施した調査結果をもとに、実際に現場を歩いて外来植物を観察し、参加者全員で今後の調査や兵庫島の自然の活かし方、守り方などについて話し合うことを目的としていました。

 プログラムの最初には、初めてこの調査に参加する人もわかるように、なぜ外来植物を調べることが大切なのか、また実際に調べた結果秋と春どんなことがわかったかなどについて参加者にお伝えして、実際に現地へ。

 昨年の秋と春に調査を実施した二子玉川駅近くの兵庫島公園は、5月に実施した春の調査から1か月経ち、様相がだいぶ変わっていました。
 5月に最もみられたオオカワヂシャはずいぶんと個体数が減り、また代わりに春には確認されず、昨年秋に確認されていたアレチウリやオオブタクサなどが徐々に大きくなる様子が観察され、さらに去年の秋と春には記録されなかったハルシャギクが満開になり、多摩川の河原を黄色く彩っていました。
 参加者全員で、秋と春に調査対象としていたアカバナユウゲショウ、アレチウリ、アレチハナガサ、オオカワヂシャ、オオブタクサ、などの外来種を確認し、また日本にもともと生育していた在来種と外来種の違いや、在来種が多い場所と外来種が多い場所がどこかなどを観察しました。

 お昼を挟んだ後、午後からは調査結果をもとに今後どうするかを3つの班に分かれて話し合いました。一つの班のテーマは「まちづくり」の中でこの調査や結果をどう活かすか、2つ目の班は外来種がたくさん見つかったというこの結果から、調査地の兵庫島や多摩川の自然をどう守るべきかという「保全対策」、3つ目の班はこれまでの調査の結果や経緯から、「今後の調査」をどのようにしていくべきか、でした。

 参加してくれた子供たちからも、大人では思いつかないような素敵なアイディアの提案などもあり、ディスカッションは大いに盛り上がり、3班それぞれが最後に話し合った結果をみなさんに報告し、結果を共有することができました。

 多摩川の市民による水辺の外来植物さがしのプログラムは今後も継続していく予定です。また今後も最新の情報を当会のwebサイトでお伝えしていきますので、ぜひご注目ください。