CNC 2021-Tokyo:世界の結果が公開されました!
CNC2021は、4月30日から5月9日の10日間にわたって、世界の参加都市で同時に開催されました。最初の4日間はスマートフォンを用いて野外で生物を観察・投稿し、残りの6日間は観察された種を同定する作業が行われました。CNCの実施本部であるロサンゼルス自然史博物館とカリフォルニア・アカデミーオブサイエンス(California Academy of Science)より、各都市の結果が届きましたので、その概要をお知らせします。
世界では、コロナ禍にもかかわらず5大陸・44か国・419都市が参加し、参加都市数は2018年のプロジェクト開始以来最多となりました。参加者数は約53,000人、生物観察数は約1,280,000となり、実施本部の予想を超える数となりました。観察された種数は約45,000種で過去最多となりました。2018年では参加者は約17,000人でしたが、2019年は32,000人、2020年は41,000人、2021年は53,000人と、CNCの参加者は毎年飛躍的に増加しています。世界の人々を惹きつける人気のプロジェクトに成長していることが分かります。
上図は、参加都市の多くがプラットフォームとして使用しているiNaturalistとCNCそれぞれの観察数の経年変化を示しています。iNaturalistを用いた生物観察数の中でCNCの参加者による観察数は突出して高いことが見て取れます。
今年はコロナ禍での開催となり、各都市で参加者数、観察数、観察種数を競うことはしませんでしたが、本部からの報告を元に世界と東京とのいくつかの比較をしました。CNC2021-Tokyoの詳細な結果は、こちらをご覧ください。
491都市で最も多く観察された種はマガモ (Anas platyrhynchos)でした。東京では、最も多く観察された種はハルジオンでした。上位5位は植物で、6位はカワラバトでした。また、世界では希少種が2,100種以上記録されました。
東京ではコロナの非常事態宣言下での開催でしたが、本部での集計時の東京の参加者数は135人(106位)、観察数は4,752(73位)、観察された種数は880(94位)でした.一人当たり平均の観察数は35.2で,世界各都市の平均は32.7,中央値は20.4であり,記録が有効な418都市中100位でした.
また多くの参加者が観察された生物の同定作業を実施しました。その結果、研究レベルと同定された観察数は2,143で、データとして有効なデータのうち(欠損値を含まない,ペット・植栽などでないデータ)57.2%を占めました。研究レベルと同定された種は473種で、有効なデータのうちの65.5%を占めました。これらは有効なデータが認められた380都市で見ると,それぞれ平均44.1%と中央値43.5%,平均52.9%と中央値51.8%で,東京はそれぞれ102位,81位と比較的上位になりました.
コロナ禍でもCNC2021-Tokyoのプログラムにご参加いただきました皆様、大学夢キャンパスでのオンラインのイベントにご参加いただきました皆様には改めてお礼を申し上げます。
オーガナイザー
岸本・小堀