新年のご挨拶

明けましておめでとうございます。

本年は、昨年のコロナによる試練を乗り越え、その教訓を生かした新たな出発の年となるでしょう。
新型コロナ感染症の拡大は、私たち現代人の自然と生物多様性への向き合い方、地球規模の活動に起因する根深い問題と思っています。かつては狭い地域の風土病であった多くの病原性ウイルスは、その病気への免疫力を獲得した地域の人々と折り合いをつけて生存してきたと思われます。しかし、手つかずの自然へ多くの人が踏み込み、開発・破壊し、その生物多様性の恵みをより広い市場で売り出すことで、病原性ウイルスと遭遇する機会は益々増えています。コロナおよび次なる病原性ウイルスと向き合うためにとは、生物多様性アカデミーのミッションである「生き物と自然、人と社会との関係をむずび直す」ことは重要であるとの思いを強くしています。
日本では、都会に暮らしていても四季の移り変わりによる自然を身近に感じ,慈しむことで、心の豊かさや健康を保ってきました。また生物多様性や生態系サービスの恵みを享受することで,固有な景観や文化,産業を育み,暮らしを営んできたと言えます。コロナ禍を契機に人と自然が共生する新たな社会の在り方を目指して、共に知恵を出し合い、実現に向けて協働してまいりましょう。

健康で、実り多き丑年となりますよう、心よりお祈りしています。

2021年元旦 

代表理事
小堀洋美